本記事では、本当に初心者(web広告って何?、GDNてどういうものなの?)の方に対して、
- GDN(Google Display Network)のそもそもの解説
- インターネット広告の仕組み
- GDN(Google Display Network)のターゲティング
- GDN(Google Display Network)を配信する方法
- YDNとの違い
をまとめています。
筆者は実際に手を動かした広告運用(代理店)側も、広告主側も経験しています。
その知見を元に、あまり知識がないであろう広告主の方が、どうすればGDNを理解し、GDNを配信できるかという視点に立ってまとめました。
【GDNとは】
GDNとは「Google Display Network」の略です。
直訳で「Googleのディスプレイ広告のネットワーク」です。
簡潔にいうと
GDNとは、Googleがまとめている広告枠にバナー広告を配信できる広告商品 |
です。
特徴として
- Googleの豊富なデータで出しわけができる(サイトのジャンルや、人の属性)
- 掲載枠が圧倒的に多い(サイトの枠)
があり、世界最大のバナー広告(テキスト広告・動画)の広告配信網です。
新聞広告で例えると、
各新聞が持っている新聞広告の枠を、Googleがすべてまとめてしまって、「スポーツ枠に出したい」や「教育面に出したい」という要望に対応して、
広告の配信枠の指揮をしているのがGoogleである、のようなイメージです。
検索広告とディスプレイ広告(GDNなど)の違い
Googleは検索連動型広告も運営しています。
検索連動型広告は、Google検索上で、何かを検索した際に上部に表示される広告のことを指します。(よくみると【広告】という記載があります)
一方、YDNやGDNを代表とするディスプレイ広告は、サイト内やYoutubeを見る前など、サイトや動画内に配信できる広告となっています。
検索連動型広告の強みは、ニーズが最も高まっているときに配信できる広告だということです。
人が検索するとき、その情報を欲して能動的に行動しています。
このニーズが一番高まった時にメッセージを届けることができるのは、検索連動型広告のみです。それほど優秀な広告なのです。
一方で、ディスプレイ広告は、人が別のサイトや動画サービスを見ている際に届けられる広告です。
人は受動的にその広告を見ることになります。
つまり、ユーザーに振り向いてもらうようなメッセ―ジや配信場所が、GDNなどのディスプレイ広告には必要となるのです。
GDNの強み
GDNの強みは、広告枠だけではなく
『ユーザーの属性が分かり、ユーザーの属性を狙い撃ちできる』ことにあります。
Googleは、Google検索だけでなく、
- 動画配信サービスのYoutube
- メールサービスのGmail
- クラウドファイルサービスのGoogleDrive
- 地図サービスのGoogleマップ
- 音声認識ツールのGoogle Home
- スマートフォンのOSとしてのAndroid
など、ありとあらゆるネットサービスを提供しています。
これらのGoogleサービスの利用履歴から得られた情報で、
そのユーザーが何歳で、性別は何で、どこに住んでいて、
今何に興味を持っていて、週末どこへ行こうとしているのかをすべて把握しています。
ユーザーはこれらのサービスを無料で使用する代わりに、Googleに無数の個人情報を与えているのです。
そのおかげか、Googleはその人の属性に基づいて最適な広告を出すことが可能となっています。
ちなみにYahoo!が運営するYDNであっても同じ仕組みで動いています。
Yahoo!は、「Yahoo!メール」や「Yahoo!知恵袋」などに必要な「Yahoo!アカウント」を元に個人情報を収集しています。
GDNを運営するGoogleの収益
Googleの収益源は、こういった広告から得られます。
GDNのビジネスモデルとして、クリックしたときに広告主はお金を払います。
サイトに広告を掲載するだけならば、広告主は全くお金が掛からないのです。
これを「クリック単価制」といいます。
Googleの立場を考えると、クリックされればされるほど儲かるので、『いかにユーザーにクリックしてもらうか』をずっと考えています。
その中で、Googleは、ユーザーに最適な広告を出せば、一番儲かることに気づきました。
- 今週末、沖縄に行こうと考えている人に飛行機予約サイトの広告を出す
- 車を買おうと検討している人に、トヨタの広告を出す
- 子供が生まれた人に学資保険の広告を出す
これらの最適な広告はユーザーの情報を握っている広告会社(GoogleやYahoo!など)にしかできません。
GoogleはYoutubeなどのサービスを通してユーザーの個人情報を握っているので
圧倒的にクリックされやすく、また成果の出る広告となっているのです。
TVや新聞、ラジオにはできない「ユーザーのニーズを把握する」ことをGoogleは実現させています。
また広告主から見れば
こんな貴重なデータを持っている広告網を使わない手はありません。
ではこのGDNに出稿するにはどうすればいいのでしょうか?
【GDNに出稿する前に・・・】
目的を明確に固める
GDNに出稿することを目的にしてしまうことは止めるべきです。
GDNは優れた広告製品ですが、あくまで目的を達成する「手段」です。
まず、自分の目的が何なのか見極めましょう。
インターネット広告の目的は大きく二つ
広告の目的は大きく2つに分かれます。
1.ブランド(長期的な信頼)を高めるための広告
広告を見ている人に知ってもらうための広告です。駅前のお店の看板などはこれにあたります。
2.直接的・短期的な成果を目標にした広告
GDNなどのインターネット広告を実施する際は、この直接的な成果を得ることが目的にすることが多いです。
なぜなら、広告を出すことと成果を得られたことの関係性が明確にわかるからです。
例えば、駅前に、お店の広告を出しても、お店に来た人が駅前の広告を見てきてくれた人か、広告に関係なく来てくれた人か見分けがつきません。
広告を出しても成果が目に見えないのです。
一方、GDNなどのインターネット広告は、どのサイトに出した広告をクリックして、成果につながったのかすべて明確に見えます。
たとえば1万円の広告費を出せば何人の人が自分のサイトを訪れてくれたかが分かるのです。
GDNはこの「成果が見える」という特徴・強みも持っています。
オンラインだけでは目的を達成できないサービスは難しい
インターネットだけで目的を達成しきれないサービスは、GDNで効果を上げにくいです。
例えば、証券口座の開設があります。
ネット完結することは難しく、未だに紙でハンコやマイナンバーなどの書類を送付しなければならない会社があります。
こういった場合は、ネットで完結できず、どれだけ成果につながったかが一目で分かりにくいです。
サイト内で完結できないサービスはやりようによってはできますが、あまり向いていないのが現状です。
とはいえ、頭をひねればできることはあるので、創意工夫を重ねていく必要があります。
自分のサイト(受け皿)を用意する
広告を出稿する際、広告をクリックした時のリンク先を用意する必要があります。
例えば、会社の概要が書いてあるWEBページであったり、売りたい商品の紹介ページだったりします。
サイトが無い場合は、簡単なWEBページならば、『ペライチ』というサービスや『BASE』というECサイト向けのサービスで無料で作れるものがありますので、積極的に挑戦してみましょう。
【GDNでできるターゲティング・計画立て】
目的が固まったならば、誰に出すのかを考えていきましょう。
GDNでは出稿する「人」と「サイト」を設定することができます。
これを「ターゲティング」と呼びます。
GDNでは、この「人」と「サイト」で様々なターゲティングができます。そしてそれぞれの掛け合わせが基本的に可能です。
例えば、「ドモホルンリンクル」を売り出すなら、活動的な40代~60代の女性をターゲットにこのようなターゲティングが考えられます。
このように、人は年齢と性別で絞り、サイトはキーワードで絞るという掛け合わせのターゲティングがGDNでは可能です。
GDNターゲティング一覧
人のターゲティングの項目
どこに、どんな、いつ、どのように、など思いつくターゲティングは大体できます。
・性別と年齢、子供の有無、世帯年収
実際の管理画面では、チェックマークを入れることで自由に設定できます。
ただ世帯年収は2018年に始まったばかりのターゲティングで、まだまだターゲティング精度は低く、今のうちは使わない方が良いです。
・スケジュール
何曜日のこの時間帯に出したいというものが設定できます。
例えば、夜の22時~23時の時間帯だけ出稿する、ということが可能です。
・デバイス
パソコン、スマートフォン、タブレットの中で出しわけできます。
PCのみという出し方や、「スマートフォンはPCの2倍強く出したい」のような傾斜の付けた出稿も可能です。
・オーディエンスターゲティング
興味や関心ごとと、それよりも強い興味関心ごとでユーザーをターゲティングできます。この中で3種類の設定ができます。
スポーツ、フィットネス |
テクノロジー |
ニュース、政治 |
フード、ダイニング |
メディア、エンターテイメント |
ライフスタイル、趣味 |
乗り物、交通機関 |
家庭、園芸 |
旅行 |
美容、健康 |
買い物好き |
銀行、金融 |
この表は『ユーザーの興味や習慣、関心(幅広い、比較的弱い興味のターゲティング)』のカテゴリです。
その人が普段見ている動画やサイトの内容から自動的にカテゴライズされています。
またアメリカ発信のサービスなので、カテゴリ名がアメリカナイズされたものとなっています。(あんまり日本に馴染みのないカテゴリがあったりします)
アパレル、アクセサリ |
イベントのチケット |
ギフト、行事 |
コンピュータ、周辺機器 |
スポーツ、フィットネス |
ソフトウェア |
デートサービス |
ビジネスサービス |
不動産 |
家庭、園芸 |
幼児、子供向け製品 |
旅行 |
求人 |
美容製品、サービス |
自動車、乗り物 |
通信 |
金融サービス |
これは『ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画(購買意欲が強いカテゴリ)』です。よりECサイトなどで使用されやすいカテゴリとなっています。
先ほどのカテゴリよりも強い欲望があるカテゴリです。これらの中から、指定して広告を出稿することができます。
※ちなみに、羅列した20程度のカテゴリもそれぞれにさらに細分化されており、総勢200程度のカテゴリの中から選ぶことができるのです。多すぎるので今回は省略しています。
最後に、『ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法』というターゲティングがあります。
これは、自分のサイト内にタグという追跡装置を埋め込むことで、自分のサイトに訪れたユーザーを追跡するGDN広告を出稿することができる機能です。
後述しますが、これが最も最優先すべきターゲティングになります。
サイトのターゲティングの項目
人のターゲティングの次はサイトのターゲティングです。人のターゲティングと似通っているターゲティングもあります。
・トピックターゲティング
アート、エンターテインメント |
インターネット、通信事業 |
オンラインコミュニティ |
ゲーム |
コンピュータ、電化製品 |
ショッピング |
スポーツ |
ニュース |
ビジネス、産業 |
フード、ドリンク |
ペット、動物 |
不動産 |
世界の国々 |
人々、社会 |
仕事、教育 |
住所、庭 |
健康 |
旅行 |
書籍、文学 |
法律、行政 |
科学 |
美容、フィットネス |
自動車 |
資料 |
趣味、レジャー |
金融 |
サイトのジャンルでターゲティングする方法です。人のオーディエンスターゲティングよりも種類が多いです。
サイトのジャンルのカテゴリなので、サイトがたくさんあるジャンルは、よりGDN広告を大量に出すことができます。
※ちなみに、トピックターゲティングでもさらにカテゴリ別で細分化されており、総勢300程度のカテゴリの中から選ぶことができます。多すぎるのでこちらも省略しています。
・プレースメント
URLを指定して、広告を配信することができます。
GDNの広告枠がそのサイト内にあれば、広告配信をすることができます。
大きいサイトならば、『Yahoo!ジャパン』のサイトから、小さいサイトならば地元の小さいECサイトまで広告出稿が可能です。
使用方法としては、競合サイトへのターゲティングによく使われます。
・Gmail広告
Gmailのプロモーションタブを開いた際に、上部の広告枠があります。この広告枠にGDN広告を配信することができるのです。
ターゲティング精度は明らかにされていませんが、競合のメールマガジンを受け取っている人をターゲティングできたりします。
ということで長々と人とサイトのターゲティングの種類について説明してきましたが、まとめたのが下記の表です。
このようにたくさんできることがあるので、どれから始めればいいのかか迷うと思います。そこで、まずやるべきメニューというものがあります。
それがリマーケティングです。
リマーケティングとは
一度、自分のサイトに来訪した人に対して、広告を配信できるGDNの機能です。
先ほど人のターゲティングの部分で簡単に説明しました。
なぜリマーケティングが重要なのか
一番ニーズが強いのは、既存顧客だからです。
すでに、自分のサイトに訪問してくれているのだから、何らかの興味や関心があることは容易に想定できます。
そういった既存顧客に対して、広告を出すことで、
『また来てね!』だったり『こういう新商品出ました!』のようなメッセージを出すことができます。
リマーケティングを設定するには
タグと呼ばれる追跡装置を、サイト内に設置する必要があります。
タグとは『ふせん』のようなもので、サイト内に訪れたユーザーに目印を付けられます。
リマーケティング広告はその『ふせん』を目印に広告を配信しています。
リマーケティングで成果が出たら
リマーケティングで成果が出たら、次のターゲティングを検討していきましょう。
私の感覚と経験をもとに、ニーズの強さと配信できるユーザーの人数で、YDN・GDNの主要メニューをまとめてみました。
「面」と記載しているのが、「サイトの枠」という意味です。ニーズが強いカテゴリから順番にやっていくのが王道です。
★の「YDNサーチターゲティング」や「GDNコンテンツターゲティング」ターゲティングメニューが、ボリュームもそこそこあり、ニーズが高いのでおすすめです。
自分の売りたい商材・サービスや、きてもらいたいお客さんは、それぞれのサイトで違います。
ここからは自分で頭を捻りながら試行錯誤していく必要がでてきます。
個人的には、この試行錯誤の部分が、GDN広告の面白い部分であり、最も競合と差別化できる部分だと考えています。
YDNのターゲティング
GDNのターゲティングを説明したところで、その競合であるYDNのターゲティングもあわせて簡単に説明します。
基本的にGDNと同じターゲティングが可能です。
特徴的な違いは1つあります。
詳しくは後述しますが、過去検索したキーワードを元に配信できる「サーチターゲティング」がYDNのみの機能となっています。
【広告の形式・内容(メッセージ)】
さて、GDNを出稿する人やサイトが決まってきたら、
どのような広告を出すのか考えていきましょう。
- どういうメッセージを打ちたいか(理想)
- どういうメッセージが打ち出せるのか(可能)
の両軸で考えていきます。
どういうメッセージを打ちたいか(理想)
自分がどういう商品・サービスをユーザーに知ってほしいかをまず考えます。
パン屋さんならば、『お店に来てほしい』、ECショップならば『商品を買ってほしい』がメッセージの根本となっています。
インターネットを見ているユーザーが、どういうメッセージや写真ならば、その広告をクリックして、
そしてサイトに来て、目的を達成してくれるかを深く考える必要があります。
ちなみに筆者も深く考えてみました。
どういうメッセージが打ち出せるのか(可能)
そして、その理想を整理したら、GDNの広告の形式(フォーマット)に落とし込んでいきます。
GDNの広告形式(フォーマット)は大きく分けて4つあります。
1.バナー広告
ディスプレイ広告(GDN)というとまずこのバナー広告形式を思い浮かべる方が殆どなのではないでしょうか?
画像1枚の中で伝えたいメッセージをきちんと盛り込む必要があります。
かつ、画像のサイズに合った広告枠にしか出せないため、10種類程度のサイズ別のバナーを作る手間が掛かります。
最近では、他の広告形式に成果が負けつつあり、徐々に配信量が減少しつつあり、優先度は低めです。
2.テキスト広告
テキストのみの広告です。
強みとして素材はテキストのみなので様々な広告枠の形に対応することができます。その結果、配信量が多い広告形式のものとなっております。
またテキストのみなので、一番簡単に作成できます。
3.レスポンシブ広告
テキスト+画像を組み合わせた広告形式です。そして、これが最も優先度が高い広告です。
なぜなら、配信量が多く、成果が最も見込める(クリック率が高い)広告だからです。
詳しくは、別記事(GDNレスポンシブ広告の概要)で説明しています。
4.動画広告
動画広告は、動画を配信する広告です。見たときのインパクトがもっとも強い形式の広告です。
予め動画の素材が必要です。ネット上で専門家の人に頼むか(クラウドワークスやランサーズ)、広告代理店に頼むことがスムーズだと思います。
主に、ブランディング目的(認知目的)で使われることが多いです。配信面としては、Youtubeにも出稿できます。
【YDNとの違い4点】
詳細のターゲティングのやクリエイティブの話まで来たので、ここでYahoo!ディスプレイネットワーク(YDN)との違いについて説明します。
基本的にはYDNとGDNは同じ
基本的に、GDNと仕組みは同じです。
人のターゲティングもできますし、サイトのターゲティングも同じくらい詳しく正確にできます。
ただ、『人』のターゲティングについては、Googleのほうが提供するサービス量が多い為、精度が高いのが現状です。
以下、細かいところをあげつらうと沢山あるので、大きな違い4つに絞って説明します。
YDNとGDNが違う点①『サーチターゲティング』という人のターゲティング
ただ、人のターゲティングにおいてはYDNが優れている面が一つだけあります。
それが「サーチターゲティング」と呼ばれる、YDNに特有のターゲティングメニューです。
これはYahoo!検索で最近検索したキーワードからユーザー(人)をターゲティングできる機能です。検索広告やSEOで獲得できているキーワードからさらに拡大を図れる画期的なメニューです。しかも、検索広告に比べ比較的低いクリック単価でできるため、低予算で大きな成果を見込むことができます。
もし予算と時間に余裕があるならばYDNにまで手を拡げることをおすすめします。
YDNとGDNが違う点②サイトの枠
YDNのサイトの広告枠は、Yahoo!がきちんと審査している大規模なサイトか、Yahoo!の自社運営しているサイトにしかありません。
つまり、YDNのサイトの枠は質が良いのです。
一方、Googleは審査があるものの、比較的簡単に小さいサイトでも広告枠が設置できます。
質が低いものの、あらゆるカテゴリの、あらゆるサイトの枠を大量に持っているのがGDNの強みといえます。
YDNとGDNが違う点③広告の管理画面の設計
GDNは、Google広告という1つの管理画面で「Google検索」「GDN」を管理することができます。
ただ、YDNは、「Yahoo!スポンサード広告」と「YDN」でアカウントが分かれてしまっており、2つの管理画面にいちいち入って確認をしなければなりません。
面倒です。
理由は、Yahoo!内で別々のプロダクトとして取り扱っているからです。統合を進めようとはしているようですが、システム上の問題のため遅々として進んでいないのが現状です。
(特にYDNが比較的古いシステムになっているようで、改修や新たな広告商品リリースも時間が掛かっています)
YDNとGDNが違う点④入札機能の自動化の性能
結論からいうと、GDNのほうが入札自動化の機能が優れています。
主に、目標CPA(目標獲得単価)を設定した自動入札機能が使われるのですが
YDNは2018年の現時点でもまだその性能に不安を残しており、
配信量がかなりブレたり、獲得数が増えないのでコストだけ増えたりといったことが比較的多いです。
ちなみに「入札とは?」と思った方は、入札の仕組みについては下記の記事を参照してみてください。
【実際のGDNの入稿/配信】
では、ターゲティングや広告のメッセージを決定したら、実際に配信の設定を行ってみましょう。
主な方法として
- 広告代理店に依頼する
- 自分で頑張って運用する
の2つの方法があります。
広告代理店は自社の利益もあるので運用工数を鑑みると、最低30万円/月の広告予算が無いと、仕事を請け負ってくれないことが殆どです。
そこで、数万円程度の小規模な予算やまず実験的にやってみたい場合は、自分で手を動かしてやってみることをオススメします。
実際にGoogleの広告設定のサイトから
- 支払いのクレジットカードの設定
- 計測のためのコンバージョンタグの発行
- 広告形式(メッセージ)
- ターゲティング(誰に、どこに、配信するか)
- 予算、クリック単価
の設定を行う必要があります。実際のWEBの画面からどのように設定するかを説明します。
大前提:アカウントを作ろう
Google広告、GDNを利用するにはGoogleアカウントを作成する必要があります。
既に、Gmail広告などを利用している方なら、そのアカウントをそのまま使うことができます。
アカウントをお持ちでなくとも、こちらから数分程度で作成することができます。
支払いの設定をしよう
最初に、Google広告のアカウントを作成する際に、クレジットカードの登録が求められます。
そこで紐づけたクレジットカードから、毎月の月払いで、『クリックされた金額分だけ』請求されます。
設定画面を飛ばした方は、右上のメニュー欄から設定・変更できます。
タグを設置しよう
成果を図るためには、コンバージョンタグと呼ばれるものを自分のサイトの中に設置する必要があります。
自分で『サイトのどの地点までユーザーがたどり着いたら成果だ!』を考えておく必要があります。
GDNのタグは、管理画面の右上の部分から発行することができます。
ここで発行したタグをサイトの制作担当者に渡して、コンバージョンタグの設置を依頼しましょう!
アカウント構造を理解しよう
Google広告では、アカウント構造というハコを作り、その中で、『ターゲティング』と『広告』を入れるような形で設定していきます。
詳しくは下記のサイトをご覧いただければわかります。おすすめの記事です。
http://listing.cn-door.com/employment/53.html
ただ、このアカウント構造をきちんと理解しなくても、Google広告は案内画面をたどることで簡単に作ることができます。
ここから実際の管理画面を元に、どう作成するのか説明します。
本題:実際の広告の配信設定の流れ
※すでにキャンペーンを作成しているのならば上の画面のプラスマークから新たなキャンペーンを作成できます。
新しく、アカウントを解説した場合には、チュートリアル(案内)画面が表示されます。
この案内画面に沿って、順番に設定を進めると簡単に設定が完了します。
今回作成したいのは、GDNの広告なので、『ディスプレイ』をクリックします。
次に、GDNの目的を選びます。
- 販売
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 商品やブランドの比較検討
- ブランド認知度とリーチ
の中から、自分のサイトの目的に合わせて選択します。
大体の方は、『販売』か『見込み顧客の獲得』に当てはまるのではないかと思います。
『ウェブサイトのトラフィック』は、自分のサイトにユーザーをとにかく集めたい時、認知目的などで使用することが多いです。
また、ここでGmail広告を作成したいならば、『Gmailキャンペーン』にチェックを入れます。
キャンペーン名は、好きなものでいいです(例:GDN_パンの広告)
地域・言語をここで設定します。言語は基本的に日本語のみで大丈夫です。
次の画面では、配信エリアや言語、単価設定、予算を設定します。
この『単価設定』と『予算』の設定が最も重要です。ここを間違えてしまうと、一日に数百万の配信が出てしまう可能性もあります。
単価設定は、
・クリック単価制
・入札単価を手動で設定
にしてください。(コンバージョンのタグを埋めていなければ自動入札の設定も使えますが、しばらく配信してデータが溜まってからの方がうまく動くのでそれをおすすめします。
予算設定は、1日に使える最大予算を設定します。基本的にこれを超えることはありません。
なるべく小さ目に設定を行い、配信量が上限に達しているようならば徐々に最大予算を伸ばしていく方法がオーソドックスです。
広告グループ名も、キャンペーン名同様自由に設定できます。
オーディエンスは、『人のターゲティング』で説明した内容です。狙いたい人のカテゴリをクリックで設定しましょう。
『ターゲティングの自動化』は「ターゲティングを自動化しない」を選んでください。
「自動」で設定すると、勝手にターゲティングが広がり、思ってもいないコスト増加を引き起こします。最初は、自動化せずに人の手で設定しましょう。
入札単価は商材にもよりますが『5~10円』程度のかなり少なめの金額で設定することをお勧めします。
設定完了後、数分後には配信が始まるので、配信量を見ながら、少しずつ調整しましょう。
『+新しい広告を作成』を押すと、レスポンシブ広告の作成の画面がはじまります。
レスポンシブ広告で必要なテキストや画像は別記事にまとめてありますので、ご覧ください。
予め、この記事をみて、必要になりそうな商品・サービスのロゴやバナー、画像を準備しておくとスムーズに設定ができます。
これで設定完了です!うまく設定されていれば数分後~30分後には配信が開始されます!
配信設定後
配信設定後は、各種数値が管理画面上に表示されます。
自分が設定している予算に合ったクリック単価なのか、ターゲティングはあっているのか、コンバージョンがきちんと発生しているのかと注視しながら、その日1日は過ごす必要があります。
コンバージョンタグの設置がうまく設置できていなければ、コンバージョンは数値に出てきません。
自分でテストコンバージョンを行ってみることをおすすめします。
ここまで説明したのが「Planning:導入」の部分です。
ここから、広告配信における、Do(運用)、Check(計測)、Analysis(分析)がはじまります。
- Do(運用):入札の調整や、広告文の入れ替え
- Check(計測):データを適宜ダウンロードして見やすく整形する
- Analysis(分析):整形したデータをもとに、気づきを得て、次のDoへつなげる
というPDCAを回していくことで、成果が徐々に良くなっていきます。
まとめ
以上、GDNの初心者向けの概要記事でした。実際の設定までスピード感をもってまとめているので、適宜立ち止まって、その関連キーワードを調べてみると、新たな発見も生まれると思います。
広告代理店さんにすべてお任せするのもアリですが、自分で手を動かすことで新たな発見は必ずあります。
時間と予算が許すなら、自分でGoogleの管理画面に飛び込んでみることを私は強くおすすめします。
GDNよりも上位の、WEBマーケティングの基礎の概念理解ならばこの本、
具体的な実際の運用詳細ならばこの本がとても学びになります。
おわり