アプリのプラットホームは世界的に二分されています。
Googleが運営するAndroidのプラットホーム「Google Play」と、Appleのプラットホーム「App Store」です。
今回ご紹介するのは、
この世界的アプリプラットホームである「Apple Store」内に掲載できる、「Search Ads」です。
2016年11月にアメリカでリリースされて以降、
世界7か国(アメリカ、イギリス、スイス、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド)ですでに「Apple Search」はリリースされています。
そしてようやく2018年7月26日に日本国内でもローンチされました!
まず「Search Ads Advanced」のみのリリースで、「Search Ads Basic」は8月23日~となっております。
ただ「Search Ads Basic」はあくまで、CPI課金制の毎月の最大予算 約50万円以内の小規模アプリ向け商品となっており、
本記事では、基本的に「Search Ads Advanced」を対象として扱います。
今回、そのApple Search Adsの概要や特徴についてまとめていきます。
・2018年6月にアメリカでリリースされている情報
・2018年8月初めの日本でのリリース初動の情報
をもとにしている為、今後若干の変更がある可能性がございます。
目次
Search Adsの特徴/メリット
驚異的なCVR
Appleの公式発表によると、Apple Search Adsからの、タップからインストールのコンバージョン率は、40〜60%です。
すなわち、広告をタップしてくれたユーザーの約半数がアプリインストールをしている状況です。
FacebookやGoogle AdWordsのコンバージョン率と比較して、5倍以上のCVRで驚異的な数値となっています。
(出典:https://searchads.apple.com/jp/)
競合の少なさ
GoogleやYahoo!といった、検索広告に比べて、競合が少なく、比較的低いクリックコストで出稿できる可能性があります。
特に、リリースしてすぐの日本市場ならば実施しない手はないです
競合アプリ名にも出稿可能!
後程説明しますが、掲載枠が1つのみのため、かなり競合ユーザーの奪取に影響がありそうです。
全アプリ出稿可能!
Appstoreの審査を通過し公開されているアプリならば、どのアプリでもプロモーション可能です。
タップ単価制 ※Advancedのみ
検索広告と同様、タップされた分しかお金がかからず経済的です。
Search Adsの掲載場所
AppleStore検索画面の、一番上のみに掲載される広告です。
つまり、一人勝ちです。単価がかなり上がりそうですね。
日本だとこんな感じで出ています。
またオーガニック検索で1位であっても、そのアプリの広告を出稿することができます。
クリエイティブ
基本的に広告クリエイティブは3パターンです。
基本的にAppstoreにすでに入稿されているデータで自動生成されますが、
手動で広告セットを選択し入稿することも可能です。
ただ、可変できる部分は画像や動画の部分で、Appの名前は広告で変更できない仕様です。
ターゲティング
いわゆる検索広告のように、キーワードを設定して、それに関連するキーワードが検索された際に広告が表示されるシステムです。
また前提の設定として出すべきユーザーの設定があります。
ユーザー設定
以下の4種類から設定可能です。
- 全てのユーザー
- このアプリケーションを未ダウンロード
- このアプリケーションをダウンロード済み
- その他自社アプリケーションをダウンロード済み
Appleの推奨としては1の「すべてのユーザー」となっています。
デモグラフィック設定
- 性別
- 年齢(18~65歳以上まで、1歳刻みで設定可能)
- エリア(都道府県単位)
キーワード設定
現在、3種類のキーワードターゲティングが選択できます
- 部分一致
- 完全一致
- サーチマッチ(動的検索広告のようなもの)
Twitterの管理画面のように、管理画面上でキーワードごとの推定インプレッション数が見られるようになっています。
サーチマッチは、アプリの登録内容に基づいて、自動的に出稿するクエリを選択してくれるプロダクトで、Adwordsの動的検索広告(DSA)に近いです。
基本的には、新たなクエリを探索するために使用することがベストの活用法かと思います。
また、除外キーワードも完全一致か部分一致かで設定できるようになっています。
入札システム
一言でいうと、GoogleAdwordsの「品質スコア」の考え方が採用されています。
また、タップ単価(クリック単価)制です。
下記の3つの要素で入札ロジックは構成されています。
- 関連度スコア
- 入札単価
- 推定タップ率
関連度スコアは、Adwords同様にアプリ内のキーワードと検索キーワードの関連性や、タップ率で算出されます。Adwordsとは違い、管理画面やレポートからでは判別不可となっています。
初動の反応・動きと大手アプリの出稿状況
8月2日に表示が開始され、実質的にSearch Adsのリリースとなりました。
各社が早速動きだしています。
Apple search ads の出稿状況
・Facebook →pairs
・zozotown →ラクマ
・LINE → tiktok
・Yahoo →Google pic.twitter.com/yMN0Ml67X7— ぺい (@konpeyy) 2018年8月2日
各クエリの出稿状況を調べてみました。
大手アプリ名へのApple Search Ads出稿状況
検索クエリ「CookPad」へは、見事競合の「クラシル」が出稿しています
Youtubeにもゲームライブ動画アプリが出稿しています。
メッセンジャー、radicoにも競合が出稿しています
ゲーム系はピアノタイルの広告が割と出てきました
フリマ・通販系はラクマが先行奪取しています。
Facebookへは出会い系が出稿、Facebook内広告でもかなりの出稿割合なので相性は良さそうです。
ビッグクエリでの出稿状況
「カメラ」「写真」などのクエリにも出稿されています。
下部に表示されるのがストーリーなので、より視認性が上がるような気がしています。
「ゲーム」「game」でも出稿確認。このゲーム関連で、「パズル」や「RPG」といったジャンルキーワードは奪い合いの戦争になりそうです。
全体動向
まだ日本で配信されてわずかなので、日本語クエリよりも英語クエリのほうが出やすい印象がありました。
事前の触れ込みで、「CTR・CVRが高いですよ!」ということでしたが、日本国内でも同様のようで、成果がかなり良い噂が耳に入ってきています。
また一部、審査遅延が生じているようで、予想通り先行者利益が発生する結果となっています。
加えて、AppleのSearch Ads強化の方針を各社続々と発表しており、しばらくこのSearch Adsの市場は盛り上がそうです。
- アドウェイズ、Apple社「Apple Search Ads」の広告運用を最適化する「STROBELIGHTS 4A」をリリース
- ユニトーン、Appleの「Search Ads」における広告運用支援ツール「Ayuda」をリリース
- サイバーエージェント、Apple Search AdsのAPI連携による運用システムを開発・提供開始
- オプト、Apple Search Adsの広告運用を強化
ただ、先行リリースされていた北米では、
リリース後2、3か月で広告出稿が殺到、タップ単価が高騰し、CPIが見合わなくなったようなので、
日本も同じ道をたどりそうです。いかに早め早めに磨き込んでいくかが今後のカギになりそうです。
おわり
※参考にさせていただいた海外ブログ
・https://blog.branch.io/how-to-manage-and-optimize-apple-search-ads-campaigns-in-2018/