お薦め一般図書

おすすめの本。★マーク付きがよりおすすめです。

■ビジネス書

★楠木建「ストーリーとしての競争戦略」 

競争戦略をストーリーとして捉え、その構成要素や効果を解説した本です。

著者のジェイ・コトラーは、優れた競争戦略は、興味深く理解しやすいストーリーであるべきだと主張します。また、明確な目標に基づき、論理的な流れを持つことも重要です。さらに、優れた競争戦略は、独自性があり、模倣が困難であるべきだとも述べています。ガリバーやスターバックスなど具体的な企業を取り上げて分析しています。


・藤田晋「渋谷ではたらく社長の告白」

本書では、藤田氏が起業家として経験した苦労や葛藤が赤裸々に語られています。ゼロから会社を立ち上げることの難しさ、ITバブルの崩壊、そしてIPOの成功など、起業家の世界をリアルに知ることができます。


・神田昌典「成功者の告白」

脱サラした主人公が起業して会社を大きくしていくにあたっての成功と失敗を描いた小説です。

ビジネスオーナーが直面する課題を理解するのに役立ちます。


・鳥原隆志「いまから君が社長をしなさい」 

具体的で身近な事例20個に対して仮想社長として取り組んで行くビジネス書。社長業がなんたるものかが垣間見得て面白いです。

・内田和成「仮説思考」 

問題解決において、仮説を立てて検証する方法の重要性を説いています。従来の、情報を集めてから解決策を立てるアプローチよりも、効率的であると著者は主張しています。仮説を立てることで、より早く問題の根本原因にたどり着くことができると提唱しています。

また、仮説の立て方や検証方法についても、具体的なアドバイスが書かれています。

  • 問題解決において、仮説を立てて検証する方法が重要である。
  • 仮説を立てることで、より早く問題の根本原因にたどり着くことができる。
  • 仮説の立て方や検証方法には、いくつかのパターンがある。



★安宅和人「イシューからはじめよ」 

本書では、知的生産の「シンプルな本質」について論じています。問題解決に取り組む前に、解決すべき真の問題(イシュー)を見極めることが重要であると説いています。良いイシューとは、緊急性が高く、答えを出すことができる問題であると定義しています。また、イシューを明確化したら、ストーリーを立てて、最短時間で85点以上の成果を出すことを目指すべきとしています。そのためには、情報を集めすぎず、60点レベルの成果を2回重ねる方が良いとしています。本書は、ビジネスパーソンだけでなく、日常生活でも役立つ考え方だと言えます。

具体的には、

  • 問題解決の前に、イシューを明確化することが重要である。
  • 良いイシューとは、緊急性が高く、答えを出すことができる問題である。
  • イシューを明確化したら、ストーリーを立てて、最短時間で85点以上の成果を出すことを目指すべきである。
  • そのためには、情報を集めすぎず、60点レベルの成果を2回重ねる方が良い。


■心理学・哲学

・高橋昌一郎「理性の限界」 

様々な専門家を集めた学会を舞台に、哲学や論理学などを議論形式で記載している新書です。

本書では、理性が限界を持つ理由として、以下の3つを挙げています。

不可能性:理性では、不可能な問題を解決することはできない。
不確実性:理性では、不確実な状況を完全に把握することはできない。
不完全性:理性では、完全な知識を得ることはできない。
本書は、理性の限界を理解することで、より現実的な判断や行動をするためのヒントを与えてくれます。

同じシリーズで「知性の限界」「感性の限界」もあります。


★小泉閑示「『普通がいい』という病」 

…精神科医の方が書いた精神医学・心理学書。医学にとどまらず仏教や文学を引用した部分も多く一種の哲学書ともいえます

要約すると
心・身体と頭を分けて考え、頭に行動の主導権を委ねることが苦しみの原因である。
しかしこの苦しみこそ自分が自分らしく生きるためのメッセージを提出してくれており、きちんと咀嚼する必要がある。
そして愛を形成するにはまず自分自身を満たさなければならない。
満たし、溢れ出たものを他人に与える行為こそ愛である。
相反する2つの性質を平面的に考えず、螺旋的思考で考え、自分の資質も肯定し突き詰めて行けば、磨かれ次元が上がっていく。
大道というファンタジーにとらわれず自身だけの小路を作るべきだ。


・架神恭介・辰巳一世「完全教祖マニュアル」

宗教の作り方が楽しく学べます。組織論にもつながる部分があるなと感じてます。

本書では、教祖になるための7つのステップを解説しています。

・教義を作ろう
・大衆に迎合しよう
・信者を保持しよう
・教義を進化させよう
・布教しよう
・困難に打ち勝とう
・甘い汁を吸おう
既存のキリスト教やイスラム教が例として上がります。


■実学

・松尾豊「人工知能は人間を超えるか」 

現在の日本の人工知能分野を牽引する松尾氏による書籍。

2015年に出版された書籍で古いものですが、今でも十分に読み応えがあります。それは、ディープラーニング前史に紙幅の多くが割かれていて、ひとつの歴史書として読めるからという点もありそうです。

急速に進化する人工知能の入門本に一番おすすめです。


・外山滋比古「思考の整理学」 

1986年に書かれた名著、エッセイ形式です。

物事を思いつくのは寝る前やトイレ・シャワーの時である、とか、いったん寝かせるテクニックは今も思い出しています。

東大・京大の生協で一時期1番売れた本としてマーケティングがされていました。

・小塩隆士「効率と公平を問う」

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経済学というものは効率だけを重視して動いているんだろうと思い込みがちだが、実際は効率と公平をそれぞれ均等に考えているということ。

筆者の研究分野である教育と社会保障制度を軸に、効率性と公平性をいかに両立させるかを考察しています。

近年声高に叫ばれる”格差問題”を考える一助になります。



■小説

・伊坂幸太郎「魔王」「モダンタイムス」

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現代の日本で生まれた”独裁者”と”システム”との戦いを伊坂流にポップに描きます。2作は連作ですが、後作の「モダンタイムス」は前作を読まなくとも楽しめます。

伏線の描き方がやはり一流です。

最近「魔王」を読み直しましたが、IT機器(PCや携帯電話など)のくだりで古さは感じました。


・中村文則「去年の冬、君と別れ」 

構成が秀逸で、映画のような映像美・疾走感を感じます。

同じ著者で有名な作品だと「教団X」があります。



・筒井康隆「旅のラゴス」

1984年の作品ですが、古さを感じさせません。

あらすじとしては

高度な文明を持っていた黄色い星を脱出した1000人の移住者が「この地」に着いた。人々は機械を直す術を持たず、文明はわずか数年で原始に逆戻りしたが、その代償として超自然的能力を獲得した。それから2200年余り経った時代、ラゴスは一生をかけて「この地」を旅する。

「旅」「放浪」を感じさせる作品です。



・村上龍「愛と幻想のファシズム」

カリスマ性を持った主人公が資本主義世界・世界政治を牛耳っていくお話。頭を殴られたような衝撃がありました。

おわり