リスティング運用担当者として、必要な不可欠スキルとなりつつある、タグの理解・運用。
そのタグの運用に欠かせないツールとなっているのが、
Yahoo!タグマネージャー、通称YTMです。
今回はこのYTMの試験(正式名:Yahoo!タグマネージャー認定試験)の対策・試験勉強の方法論を解説します。
目次
■そもそもタグマネージャーって?YTMの利点とは?
タグマネージャーとは、ページに埋め込むタグを一括管理(=マネジメント)できるツールです。
共通の1つのタグ(ワンタグ)をウェブページへ埋め込むだけで
複数のタグ管理を簡単に行うことができ、タグの導入・運用負荷の削減が実現可能となります。
代表的なタグマネージャーとして、YTM以外に、GoogletTag Maneger があります。
YTMの利点(GTMなどに比べて)
- 原則無料(Yahoo!スポンサードサーチorYDNのアカウントを開設したら)※公式ヘルプに問い合わせるには有料のサポートが必要となる。
- Yahoo!アクセス解析のツールが使える
- 日本国内の主要な広告タグに対応している
など。
詳しくはこちらのページが詳しいです。
参考:タグマネージャーってタグを管理するだけ? いえ、今や高度なマーケ施策を可能にする機能もあるのです
■YTMの試験概要
●申し込み方法
プロメトリック社が試験を運営しており、下記ページより申し込み可能です。
http://pf.prometric-jp.com/testlist/yahoo_tag/
●受験料
11,048円 (税抜)と他のYahoo!の試験と比べると高額です。
●問題数
2016年9月現在50問、65分の試験構成です。基本的に4択、単選択方式です。
また実際の試験では
「誤っているもの、間違っているものを選べ」という、間違っている方を選ばせる問題が多いので、注意して読み解きましょう。
●難易度
結構難しいです。
同じYahoo!社が主催する、「Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験 アドバンスト」に比べかなり難易度は高いです。
アドバンストの試験は、普段運用上で触れる項目+明細やアカウント開設、広告の上限数などポイントを押さえれば合格できましたが、
YTMは普段、業務で接している範囲ではなかなか対応が難しい問題が多いです。
特に「Yahoo!タグマネージャーPlus」からの出題がエグいです。
合格基準は8割程度の正解だといわれています。(公開されていません)
●試験会場
近くの会場と時間帯を指定・予約しての受験となります。
PCが並んだ部屋、就活の際のテストセンターのような環境で受験することとなると思います。
都内の3会場へ行きましたがどこも下記のような会場でした。
(イメージ)
また終了後その場で合否が記載された用紙を渡されます。点数の記載が無いため、自分が惜しかったのかどうかもよく分かりません。
■試験勉強の流れ
まず公式資料をDLして全体概要を理解しましょう。
http://tagmanager.yahoo.co.jp/download/
出題範囲はプロメトリック社の試験概要ページを見ると
- Yahoo!タグマネージャー概論
- Yahoo!タグマネージャー活用方法
- Yahoo!タグマネージャー Plus
となっているので、それに対応した資料を読み込んでいきます。
(だいたい全部読み流しておいた方が良いと思います)
Yahoo!タグマネージャー認定試験対策テキスト(PDF:4.31MB)
というズバリな名前の資料がありますが、個人的にはあまり参考にはなりませんでした。
- ピギーバック/ JSON/ DOM
- ワイルドカード
- 各項目の細かな詳細
のあたりは若干出題されましたが、ここからの出題はだいたい3~4割程度だったと思います。
一番勉強すべきはYTMの管理画面です。
問題の内容として、管理画面上で、
- この設定をするにはどの画面からできるの?
- この項目に入っている設定項目は?
- こういう風に設定すると、対応するのはどれ?
のような形で、基本的に、管理画面とその設定、使用方法に問題構成の大部分は割かれていました。
またYTMや、YTMPLUS自体のそもそもの目的や機能も問われますので、資料の文章をそのまま暗記しておいたほうが安心です。
(独特の表現で、選択を惑わしてきます)
以下で管理画面上からの出題ポイントをまとめます。
■アカウントの設定
YTMのアカウントの開設の際に設定する
●サイト名 と
●確認用URL
ですが、こちら開設後は変更することができません。
■データディクショナリー
私は普段触れることがあまりなかったのですが、
このデータディクショナリーの項目からの出題も一定数ありました。
以下、問題例です。(※主観・偏見に則ったもので実際の出題内容を保証するものではございません)
●そもそもデータディクショナリーとはどのような機能か?
⇒インプットから取得した値をデータエレメントに代入し、タグ実行条件やサービスタグ情報に利用できる機能。
●データバイディングとは何か?
⇒データを取得し、データエレメントに値を代入するための設定。
YTMだと「ウェブサイト」「アプリ」「メール」「広告」「API」の5種類からインプットを設定可能。
●定義済みデータエレメントに該当するものはどれか?(選択式)
⇒Timestamp、IPアドレスなど。
参考:定義済みエレメント
縦軸の分類の「ウェブサイト」「アプリ」「メール」「広告」「API」についても
たまに突っ込まれるので理解しておいたほうが無難です。
(例:Languageは「API」では利用できない など)
■Yahoo!タグマネージャーPLUS
この4項目「アプリ」「メール」「広告」「API」も普段私は触らないので、苦戦しました。
それぞれ任意の値やテストという形で、
データバイディングの設定を行ってみるとわかりやすいと思います。
「アプリ」だと、SDKスニペット
「メール」と「広告」はピクセル、
「API」は、API cURL コマンド の取得方法が表示されます。
それぞれの項目「統計」「バインディング」「サービスタグ設定」「履歴」でどの設定ができるのか、
例えば、履歴だと、日?時間?からどのような履歴が確認できるのかなど、
直感で触れている時では意識していない細かい項目が出題されることもあるので要注意です。
この項目は「サービスタグ管理」のところでも細かく聞かれます。
「アプリ」だとSDKと絡めた出題もあります。
■サイト設定
左カラム一番下の項目です。
Cookieがファーストパーティーかサードパーティーかで
どのような違いがあるのか、どう使い分けるべきなのかを問われます。
以下Yahoo!公式資料からの抜粋です。
■サービスタグ管理
■タグの実行条件のスケジュールの最小単位は?
⇒1時間単位。
■タグのフリークエンシーの最小時間単位は?
⇒1分間
■サービスタグ管理 フリークエンシーキャンプの種類は?
- 時間
- ページビュー
- セッションごと
- 新規訪問者ごと
■削除するには?復元するには?
タグの場合、通常画面から削除すると「削除済みのサービスタグ」へ送られ、
そこから復元もできるようになります。
※「完全に削除」という項目はタグの場合ありません。
ウェブページも同様に、どのように動くのかチェックする必要があります。
■タグの実行数、エラーを確認できる時間の範囲は?
■正規表現
正規表現の問題が4、5問程度出ます。
割と突っ込んだ問題が多いのできちんと勉強しましょう。
※YTMでは、正規表現を使用する際には{}をつけるのがルールです。
参考サイト
・Yahoo!タグマネージャーのページ設定(正規表現編)
・サルにもわかる正規表現入門
■管理画面を使い倒す
大事なのは管理画面を使い倒すことだと思います。
管理画面に触れながら、試験に出題されそうな
- 数値
- 項目と、その配下の機能
- 何ができて、何ができないのか
に注目して、メモを取っていく方法が良いかと思います。
おわり