最初に簡単に活用方法7つ
- ターゲティング戦略の壁打ち相手として使う/初期設計
- 広告コピーのたたき台生成
- プロジェクトをクライアントごとに分ける/前提情報の入力
- レポート作成の時短ツール/GASなどを活用した自動化
- 企画アイデアのブレスト相手/0→1の突破口
- タグマネジメント/htmlやJavaScriptなどプログラミング言語を生成する
- 気持ちのケア(精神カウンセラー/上司のような使い方)
目次
1:ターゲティング戦略の壁打ち相手として使う
広告運用では「誰に届けるか」の精度が成果を左右します。しかし、ターゲットの設定が曖昧なまま進んでしまうケースも少なくありません。
ChatGPTは、この初期のターゲット設計段階で有効な壁打ち相手になります。
たとえば「30代・子育て中・都内在住の女性」という設定に対して、以下のようなプロンプトを投げることで具体的な生活像を描くことができます。
30代・子育て中・共働きの女性の典型的な一日の流れ、抱えがちな悩み、よく使うSNSなどを具体的に教えてください。
ペルソナの肉付けや、そこから導き出すインサイトの発見にもつながります。
また、以下のような視点で「ツッコミ役」として使うことも可能です。
このターゲティングに対して、矛盾や想定漏れがありそうな点を指摘してください。
2:広告コピーのたたき台生成
広告コピーを考えるとき、「何から書こう…」と手が止まることはよくあります。そんなとき、ChatGPTを“たたき台メーカー”として使うと、スタートがぐっと楽になります。
たとえば以下のように指示すれば、複数の視点でコピーを出してくれます。
返ってくるコピーは完璧ではありませんが、考えるための材料としては十分。
特に、コピーの方向性を複数提示してくれるので、「どの軸で攻めるべきか」を整理しやすくなります。
また、比較広告や機能訴求、情緒訴求など、使い分けたいトーンがあれば、それも指定できます。
このように、コピーの「ゼロ→イチ」の作業を効率化できるのが、ChatGPTの強みです。
3: プロジェクトをクライアントごとに分ける/前提情報の入力
クライアントごとに事情や方針、業種の常識が異なるため、同じような作業でも「その会社に合わせた思考」が必要になります。
ChatGPTは、こうしたクライアントごとの文脈を理解した上で回答してもらうための“専用アシスタント”のように使うことができます。
たとえば、最初に以下のように前提情報を入力しておきます。
このように背景を共有しておくと、その後に出てくるコピー案や改善提案、トーンのアドバイスが「A社に合わせたもの」になって返ってきます。
4:レポート作成の時短ツール/GASなどを活用した自動化
定期的なレポート作成は、手作業だと地味に時間がかかります。
ChatGPTは、スプレッドシートでの集計や整形を自動化するGAS(Google Apps Script)のコード作成にも使えます。
たとえば「特定のシートから日付ごとに数値を集計し、週1でSlackに送るスクリプトを書いて」と依頼すれば、ひと通り動くコードを生成してくれます。
コードに詳しくなくても、まずは雛形を作ってもらい、そこから少しずつ調整していくことで、レポート業務の工数を確実に削減できます。
コード例
GASコードひな形:週次レポートをSlackに送信
このスクリプトは、シート内の数値を集計し、Slackにメッセージを送る基本構成です。
function sendWeeklyReportToSlack() {
const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName(“レポート”); // シート名を変更可
const data = sheet.getDataRange().getValues();let totalCV = 0;
let totalCost = 0;for (let i = 1; i < data.length; i++) {
totalCV += Number(data[i][1]); // 2列目にCV数が入っていると仮定
totalCost += Number(data[i][2]); // 3列目にコストが入っていると仮定
}const message =
`📊 *週次レポート*\n` +
`合計CV数:${totalCV}\n` +
`合計コスト:${totalCost.toLocaleString()}円\n` +
`CPA:${(totalCost / totalCV).toFixed(0)}円`;const slackWebhookUrl = “https://hooks.slack.com/services/xxxx/yyyy/zzzz”; // 自分のWebhook URLに置き換えてください
const payload = JSON.stringify({ text: message });
UrlFetchApp.fetch(slackWebhookUrl, {
method: “post”,
contentType: “application/json”,
payload: payload,
});
}
5: キャンペーン・企画アイデアのブレスト相手
ざっくり相談してみると、意外なヒントが得られます。
たとえば、以下のようなプロンプトでスタートできます。
あるいは、商品やターゲットを入力して、切り口のバリエーションを広げてもらうこともできます。
ChatGPTは、切り口の分類やテーマの整理が得意なので、「まず方向性を広げたい」ときのブレストにぴったりです。
手が止まりがちな企画初期の段階を、スムーズに進める助けになります。
6: タグマネジメント/htmlやJavaScriptを書き換える
LPのHTML/JavaScriptを少し修正したいとき。エンジニアに頼むほどではないけれど、自力でやるにはちょっと不安…という場面、ありますよね。
そんなときもChatGPTは便利です。
たとえば、
あるいは、
のように聞くと、具体的なコードと説明を添えて返してくれます。
さらに、ページを読み込ませた上で「特定のボタンクリックがあるときだけタグを発火させたい」といった細かい条件設定も相談できます。
7:気持ちのケア(精神カウンセラー/上司のような使い方)
広告運用の仕事は、数字に追われたり、成果が出ないプレッシャーに悩まされたりするものです。そんなとき、ChatGPTを“話を聞いてくれる存在”として使うという方法もあります。
たとえば、
と投げかければ、やさしい言葉や励ましのコメントを返してくれます。
また、気持ちを整理したいときにはこんなプロンプトも有効です。
このように、ChatGPTはカウンセラーや“理解ある上司”のような存在としても機能します。実務的な支援だけでなく、精神的な負担を軽くしてくれるサポート役として活用するのも、ひとつの選択肢です。
おわりに
ChatGPTを広告運用の現場で活用し始めてから、感覚的に工数は30%ほど削減されていると感じています。
特に大きいのは、「ゼロから考える作業」や「調べる・整理する作業」にかかる時間が大幅に減ったこと。
アイデア出し、コピー作成、戦略設計、レポート要約……どれも“土台を作ってくれる”存在があるだけで、作業スピードと思考の精度がぐっと上がります。
もちろん、最終的な判断や細かな調整は人の手が必要です。ですが、ChatGPTは迷ったときに意見をくれる相棒として、着実に業務を支えてくれています。
今後さらに精度が高まり、業務フローに深く組み込めるようになれば、「人間がやるべき部分」にもっと集中できるようになると考えています。